食系インタビュー
㈱オールウェイズ代表取締役　小林泰博氏

「隠れた名産品に脚光を」地方の食文化継承に尽力

㈱オールウェイズ（東京都品川区）は自然食品専門店「食楽らぼ　おーるうぇいず」の
運営を行っている。店頭では“カラダに優しい、環境にやさしい”をコンセプトとした
オーガニック食品や洗剤、自然派化粧品、栄養補助食品などを展開するほか、ストーリ
ー性に富んだ地場産品を都心で販売する独自の取り組み“地産外消”も進めている。「
作り手の想いを消費者に伝えるとともに、消費者の声を作り手にフィードバックしてい
く」という代表取締役の小林泰博氏に話を聞いた。

地産外消プロジェクトとは？
　全国には伝統的な製法で作られた隠れた名産品がいくつもあります。こうした素晴ら
しい商品はその地域で生産して地元の人たちが消費する“地産地消”で脈々と引き継が
れてきました。しかしながら昨今、少子高齢化や地方の過疎化を背景に、この地産地消
モデルが存続危機にさらされているケースも目立ちます。このプロジェクトは地域の伝
統的なものづくりや食文化の継承を目的に立ち上げた独自の取り組みです。ストーリー
性のある特産品を都心での消費で後押ししています。
店頭では信州北八ヶ岳で栽培する農薬・化学肥料不使用の野菜、新潟県魚沼の自然豊か
な環境で生まれ育った三元豚、食物アレルギー物質２８品目不使用のジェラートなど、
地域ののこだわり食品を販売しています。美味しさはもとより、安心・安全の根拠、ス
トーリー性などの情報を消費者に伝えています。生産者には消費者の声をフィードバッ
クすることで、生産に対するモチベーションアップにつなげています。食品添加物を極
力抑えた食材を発掘し、「つくる人」と「買う人」をつなげる拠点づくりの創出を目指
しています。
サステナブルの取り組みは？
　食品ロスを減らす取り組みを推進しています。「予約注文」のほか、売り出し日がわ
かる「買い物カレンダー」のDMなど、売れ残り防止に努めていまます。この取り組みは
売り場を常に新しく変化できることから、顧客にとっての来店動機を高めることにもつ
ながっています。
コロナ禍の影響は？
健康志向の高まりを受け、３０～４０代独身男性層の来店が新たに目立つようになりま
した。WEBなどで情報を得て来店しているようです。
緊急事態宣言下では、外出自粛が続き世の中が暗いムードとなっていました。こうした
なか、「顧客はカラダに良いものを求めている」という原点に立ち返り、コロナ禍だか
らこそ、「いつも決まった時間に開店する」「従来と同じように商品を提供する」こと
に努めました。店舗では換気扇交換などの売場リニューアルも行いました。
今後の展開は？
　自社オリジナル商品の開発に注力していきたいです。当社では店頭で顧客ニーズを直
接得ることができることが強みです。販売数量が見込めると判断したものについては、
自社商品として展開しています。直近では植物乳酸菌を使用した『東京NEW酸菌』（ナ
ノ型、べジ型）も発売しました。小売り業にとどまらず、多角的な事業展開を図ってい
きたいです。